概 要


『 いつか立派な神様になれるように頑張ろう。
       それで、もっとみんなの願いを叶えてあげようよ。……一緒に! 』


そんなに昔でもない昔、とある稲荷神社に二人の神の使いがおりました。
片方は白い耳と尾に蒼い瞳、もう片方は黒い耳と尾に紅い瞳を持った未だ年若い狐の姿をもつのでした。
彼らは犬見神社の主祭神"宇迦之御魂神"に仕える御先稲荷。そして参拝に来る人間達の願いを叶えることがその使命でした。
一万人分、その願いを叶えることができれば一人前の稲荷神として認められるのです。

雨にも負けず風にも負けず、神の使いは日夜奔走しています。
互いに相容れない存在と知りながら、一人前の稲荷神になるため奮闘する日々の中で出会う人間達。
短い時間の中で迷いながら生きていく彼らの儚さが身に滲みる頃、御先稲荷の願いは叶うのでしょうか……。