概 要 - ガ イ ヨ ウ -


なアなあ、セイメイって知ってルか?

ただ淡々と送られていたのは、まるで色のない日常だった。
――――突如『それ』が現れるまでは。

元民俗学者の祖父と二人、慎ましく暮らす高校生・琳太郎。
ある日道端に行き倒れていた子供の天狗・那智。

翡翠の瞳。真紅の髪とその翼。翳りを知らない太陽の笑み。
一気に光彩を増した世界が目まぐるしく回りだす。

消えるはずもない。僕の心に刻みつく、褪せない色。