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『傍若無人で高飛車女、あんたがアリスなわけがないっ!』
平和の国・日本。その西側、目の前に美しい海の広がる國・因幡。
そこに古今東西、恋に迷える子羊たちのために奔走する一柱の神様がおりました。
彼の名はハクト。古くは大国主命に命を救われ神となった一匹の兎でした。
人間たちの縁を取り持ちながら長い時を生きてきたハクトでしたが、彼には未だ伴侶はおりませんでした。
それもそのはず、彼が恋してやまないのはとある御伽噺のヒロインだったのです。
そんなある年、『出雲会議』への道中のことでした。
積年の恨みを果たそうとしつこく追い回してくる鮫男をいつものようにひらりとかわしつつ、
憧れの大国主命に会える一年に一度の機会に胸を躍らせていると呼び声がかかります。
ハクトが振り向くと、そこには一人の少女が佇んでいたのでした。
白い兎を追いかけていたら道に迷ってしまったという彼女の容姿に目を丸くするハクト。
この国では珍しくもなくなった、金の髪、エメラルドの瞳。そして薄水色の、着物....?
「あたしの名前は―――――アリス。」
可憐な見た目とは裏腹に傍若無人で高飛車なその人は、確かにそう名乗ったのでした。
元いた世界にうんざりしていたところだと、我が物顔で神の社へ居座る少女。
縦横無尽のワガママ三昧に悩みの種が増えたハクトはこっそりため息をついたのでした。
彼女の世界とこちらの世界、果たして御伽噺は一体どちらなのでしょうか?
そして彼が追いかけ続ける赤い糸の先に待ち受けているものとは.....?